2024年03月03日
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12年前にコミュニティーFM放送局を退職し、たった1人でインタビュー動画配信番組「札幌人図鑑」を立ち上げた札幌市在住の福津京子さん(59)。これまで1900人超の人たちに話を聞き、インターネットなどで発信。来年3月には大台の2千人を達成する見通しだが、「新しいこともしてみたい」とチャレンジ精神は旺盛だ。
■司会業からラジオ局へ
高校を卒業してアパレル業界に就職。3年ほど働いて結婚退職し、約10年は専業主婦でした。子供が小学生のころ、ママ友に結婚式の司会をしている人がいた。面白そうな仕事だなと思い、教わりながら司会業を始めました。
当時、札幌市内で最初のコミュニティーFM放送局が誕生し、司会者仲間の1人がそこに入社したんです。ラジオ局は新卒採用だけだと思っていたのでびっくり。翌年、別のコミュニティーFM放送局が開局。パーソナリティーを募集していたので試験を受けたら合格しました。
担当は月曜から金曜まで朝の2時間と昼1時間の生放送。毎日新しい情報に触れ、いろんなゲストが外から情報を持ってきてくれる。そんな面白さもあってラジオの仕事が本当に楽しかった。入社して12年目に放送局長に就任しました。番組を担当しながら関係先の訪問や営業もしていたので結構大変でしたね。
このころ、繰り返し聞いたり、見たりできるメディアがあればいいのに、と考えていました。ラジオで流れたいい話もアーカイブがあればまた聞くことができる。今のようにユーチューブを使う人もそれほど多くはなかったですから。
そんな中で京都の人が「研究者図鑑」という動画コンテンツをユーチューブにあげていることを知りました。直接お会いして「札幌でもやってみたい」と相談したら、すごく応援してくれた。それが札幌人図鑑の元ネタになりました。
■ノーベル賞受賞者も
15年務めたラジオ局を24年に退職。その2カ月後に札幌人図鑑を始めました。「1年365日更新」と「1千人インタビュー」を公約に掲げて最初は友人などに出てもらっていたんです。徐々に人数が増えていき、話題になると「こんな人いるよ」とか、過去の出演者から推薦をいただくようになりました。インタビュー相手の会社などへ出向いたり、コワーキングスペースで撮影したり。企画から撮影、編集まですべて1人の作業でしたね。
27年3月に目標の1千人を達成しました。お話を聞いたのは、ノーベル化学賞を受賞された北海道大名誉教授の鈴木章さん。北海道大の関係者にご出演いただいた際、何気なく「1千回目に鈴木章先生が出てくださったらうれしい」と話したら、大学広報の人が掛け合ってくれた。取材当日、鈴木先生が待つ部屋に行くと、秘書さんら5、6人が「1千回おめでとう」と迎えてくれた。驚きと感動で思わず泣き崩れてしまいました。
■体力あるうちに挑戦
目標の1千人を達成した後は燃え尽き症候群のような感じ。半年ほどたってケーブルテレビのJCOM(ジェイコム)さんから番組化のお誘いをいただき、今は週1回のペースで放送し、ユーチューブにも動画をあげています。来年3月ごろには2千回目を迎えそう。多くの人に「2千人目の出演者は誰?」と聞かれますが、まだ何も決まっていません。
今年6月には還暦を迎えます。2千回達成以降も番組を続けるかどうかは未定です。新しいことをやるなら「話す仕事」ではないものがいいですね。海外にシニア留学するのもいい。年齢を考えたら夢をかなえるために時間を使わないと。札幌人図鑑を続けながらできる体力があればいいですが、「もうだめだ」と思うようになったら全然関係ないことをしてみたい。新しいものに挑戦できる環境にいたいんでしょうね。(聞き手 坂本隆浩)
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ふくつ・きょうこ 昭和39年、札幌市出身。平成9年、同市豊平区のコミュニティーFM「アップル」のパーソナリティー。24年3月に独立し、フリーのインタビューアーとして5月に「札幌人図鑑」を開設。27年3月に目標の1000人を達成。同11月からJCOM札幌で番組化。
Posted by 福津京子 at 00:00│Comments(0)
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